・その5 〜放映中の宣伝(1)〜
●当時の学年誌
●読売新聞・東京版 4月1日(日)日曜版と、4月19日「てれび街」より
日本テレビの子供向け5番組の、都内の団地を回る宣伝キャラバン隊の広告です。
絵は誰が書いたのかは不明。ドラえもんの横に謎の生物がいますが、これは
3月10日の読売大阪版などと同じ写真が元になっているみたいです。
それにしても絵がヘタ・・・・。次は、4月19日掲載の日本テレビPR室が
苦労して作った新番組の宣伝用日光写真についての記事。
●人気、昔懐かしの日光写真 日本テレビがPR用に作る
▲新番組「ドラえもん」などを書いた種紙
テレビは新番組シーズンとあって、各局とも子供向けにワッペンやシールを作り、盛んに
番組宣伝合戦をやっているが、日本テレビが作った日光写真が、中でも爆発的人気。(中略)
種紙は、新番組の「ドラえもん」や「流星人間ゾーン」など五種類作り、印画紙を二十枚付け、
これが一組。原価は三十四円。全部で十万組作った。先月下旬から東京都内の団地を
宣伝キャラバンが配って歩いている。今月下旬まで七十五団地を回る。
〜75団地を回るとありますが、上の広告に書かれているのは21団地。
●赤旗 4月17日(火)テレビ欄より 「“変身”をのりこえた試み こども向け四月新番組
ふえた動物もの <ワンサくん> 愛くるしい動き 愉快なギャグ <ドラえもん>」
日本共産党が発行する新聞「赤旗」テレビ欄に掲載された、
石子順氏による辛口のこども向け新番組の批評記事です。
紹介されているのは「ワンサくん」、「ミクロイドS」、「荒野の少年イサム」、
「ロボット刑事」などで、ドラえもんに関しては「ネコが主人公の『ドラえもん』
(日本テレビ)が、ギャグものとして愉快です。」と書いてあるだけ。ドラえもんは
ワンサくんと同じく動物ものと扱われていました。写真は、変な目つきで我成先生に
迫るドラえもん。これは4月15日(第3回)前半で放送の「キューピッドですきすき
作戦の巻」(原作は多分てんコミ3巻「ああ、好き、好き、好き!」)からでは?
他に「ワンサくん」「ミクロイドS」の写真もありました。
●東奥日報・4月27日より「あさむしキディランド 春まつり子供大会」の広告(SOTKさん提供)
上は青森市の遊園地「あさむしキディランド」(現・ワンダーランド浅虫)の春まつり子供
大会の広告です。「TV番組でおなじみの主人公がキディランドにやってくるよ!」
って事で、5月3日〜6日にかけて「流星人間ゾーン」「ファイヤーマン」「おんぶおばけ」
「どらえもん」の四者が来たらしいです。着ぐるみか何かでしょうか?
左は第5回の前日、4月28日に載ったRAB青森放送の広告で、写真は勉強机の
イスに座っているドラえもんの横顔。他に「子連れ狼」「マドモアゼル通り」「おこれ!
男だ」「すばらしい世界旅行」「スパイ大作戦」が取り上げられていました。
この頃は「アニメ」という言い方はあまり一般的では無かったんですね。
●読売新聞・大阪版 5月4日(金)夕刊「話題の10チャンネル」より
わが輩を知ってるかい 〜ドラえもんとはこんなケッタイな猫なのだ〜
ヘリトンボ≠使って町の上空を飛ぶのび太とドラえもん(右)
ドラえもん』(日曜よる七時)の原作者は、みなさんよくご存知の「オバケのQ太郎」でおなじみの藤子不二雄さんです。
のび太というダメな男の子を助けに未来の国からやってきたロボット猫、ドラえもんの活躍が見ものです。猫のロボット、ドラえもんと
のび太の凸凹コンビが織りなすSFの世界は、キミたち少年の生活レベルで描かれていて、その面白さはとってもユニークで抜群です。
ドラえもんとはどんなロボット猫なのか、そしてドラえもんが次々に駆使するカッコイイ秘密兵器の一部を紹介してみましょう。
★普通の人間と同じように、ごはんを食べ、人間の言葉を話すんです。
★おなかに底なしポケットがついていて、何でも入れることができます。
またポケットから不思議な小道具をいっぱい取り出すんだよ。
★腕力は大人の五人前。何でも吸いつける磁石を持ち、しっぽを引っぱると姿がパッと消えてしまう。
★頭にヘリコプター式のプロペラをつけると、どこへでも飛んでゆける。
そのエネルギー源はごはん。ごはんが電気エネルギーに変わります。
★弱点は、おなかがすくと、とたんにエネルギーが欠乏し、元気がなくなること。
ねずみが大きらいで、見ただけでふるえ上がって逃げ出してしまいます。
★タイム・マシンに乗っかって未来からやって来たドラえもんの出入り口は、のび太の机の引き出し。
<ドラえもんの秘密兵器>
★オーケーマイク これでしゃべると誰でも何でもOKしてしまいます。
★おせじ口紅とわるくち紅 この口紅を相手につけると、
おせじを言ったり、悪口を言ったりします。
★自動ボールペン むずかしい宿題も、これを使うとペンが
勝手に動き始めて、アッという間にかたづけてしまいます。
★タイムテレビ 現在はもとより、過去も未来も思うままに見る事ができます。
★ヘリトンボ 頭につけると自由自在に空を飛べます。
★復元光線 見かけは懐中電灯のようですが、光を
当てると、こわれた花びんもサーッと元通りになります。
★入れ舌 舌の先っちょにはめると、口ゲンカが
驚くほど強くなり、早口なら誰にも負けません。
★胸につるした大きな鈴 これを鳴らすと隣近所の猫がみんな集まってくる。
ドラえもんが困ったとき、仲間の意見や経験を聞くためにときどき使います。
このほか毎回、秘密兵器がゾクゾク登場し、ユーモアあふれるホーム・コメディーを構成しています。
超能力を持っていながら、」どこかおっちょこちょいで、いつもズッコケてばかりいるドラえもんは、
雑誌(「よいこ」「幼稚園」「小学一〜六年」)以上にいま人気者になっています。
テレビの『ドラえもん』を見ておなかの底から笑いましょう。
〜ドラえもん自身の秘密と秘密兵器の紹介で、前回3月24日の記事と重なる部分もあります。
おせじ口紅って相手につける物だったっけ? 「腕力は大人の5人分」などの設定は日テレ版
オリジナルでは無く、小二連載2回目の図解(ドラえ本3のP142に再録)で生まれた物で、
赤外線アイ、猫集め鈴の原形もこの時に出来ています。「底なしポケット」という名前もここから。
75年「ドラえもん大事典」にて129,3馬力の設定に変わりました。左の画像は小一73年3月号
「ドラえもんのひみつ」(しのだひでお氏筆?)の「鳴らすとネコが集まってくる不思議なすず」の
挿絵。作中では使われていない設定です。小二73年4月号の図解(ドラえ本2のP143に再録)は
旧ドラの設定と大体同じ内容。ドラは「知のうしすうが高くはかせのよう。」だそうで。